何回かに分けて、『中村天風から教わったやさしい瞑想法』の読書ノートを書いていこうと思います。

「第五章」では、第四章に続き瞑想の実践方法を紹介しています。

第四章では「一点注視法」という、ある特定の対象(例えば丸く黒い点)をじっと見つめることで集中力を高める方法を紹介していました。

第五章では「一音傾聴法」という、ある特定の音にじっと耳を傾けることで集中力を高める方法を紹介しています。

この方法が著者はいちばんおすすめだといいます。理由は、この方法だと眼を閉じる必要がなく「半眼」と呼ばれる状態で瞑想ができるからだそうです。

「半眼」とは、目を半開きにした状態です。目を完全に閉じてしまうとどうしても眠気をもよおしやすくなります。半眼は眠気防止になるので瞑想に向いているというわけです。

ではどんな音が適しているのかというと、単純な音がよいようです。例としてはブザー音や鈴の音をおすすめしています。

30〜50秒くらいの長さでならし、1〜3分間隔で聴くとよいそうです。

瞑想は、集中さえすればあとは自ずからやってきます。つまり瞑想状態になろうと思わなくても、条件が整えば勝手に訪れます。

音が鳴っていてその音に傾聴しているとき、無我一念の状態になります。そして音が消えたとき、つまり集中の対象がなくなった一瞬に、無我無念の状態になるのだそうです。

今回は「第五章」についてまとめました。次回は「第六章」についてまとめます。

何回かに分けて、『中村天風から教わったやさしい瞑想法』の読書ノートを書いていこうと思います。

「第四章」では、瞑想の実践方法を紹介しています。

瞑想は、何も考えない状態になるために行いますが、その準備として何か一点に集中する必要があります。中村天風直伝の集中法は二種類あって、第四章では視覚を使う方法を説明しています。もうひとつは聴覚を使う方法で、それは第五章で説明しています。

視覚を使った集中法は、なにかをじっと見て、意識を集中させます。どんなものがいいのかというと、できるだけ単純な形がよく、丸い黒い点がいちばん集中しやすいといいます。

例えばこんな点です。

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そして黒い点をじっと見つめてから眼を閉じると、眼底の網膜の上に黒い点が反転して白っぽい丸い点が浮かびあがってきます。浮かびあがってこないときは最初からやり直します。

まぶたの裏の白い点をじっと見つめている、そのときの境地が無我一念状態だそうです。そして、その白い点もだんだん薄れて消えていってしまいます。その白い点が完全に消え去ったとき、そのわずかな瞬間が無我無念の境地で、心が空になるという状態なのだそうです。

その他に、ローソクの灯を利用する方法も紹介しています。やり方は黒い丸い点を凝視するのとおなじです。見る⇒目を閉じる⇒まぶたの裏にうつるローソクを消えるまで見る、の繰り返しです。ただしローソクの場合は、あまり長く見つめないよう注意が必要です。

今回は「第四章」についてまとめました。

この方法は「無我一念法」といい、著者はそれを「一点注視法」と呼んでいます。

私も試してみましたが、うまくまぶたの裏に白い点が出てこなかったりします。でも難しいことは何もないので、何度か繰り返すうちにコツがつかめるんじゃないかなと思っています。

次回は「第五章」についてまとめます。

何回かに分けて、『中村天風から教わったやさしい瞑想法』の読書ノートを書いていこうと思います。

「第三章」では、医学的にみて瞑想がどういった効果があるのかという点について紹介しています。

第一章で書かれているように、ヨーガは四千年以上前から行われていますが、医学研究は最近始まったばかりです。精神医学や脳科学などの分野で研究が進められています。主に日本とアメリカでさかんなんだそうです。アメリカというと、1960年代にヒッピームーブメントが生まれ、「ラブ&ピース」を掲げ瞑想にふける若者も少なくなかった国ですから、こういった分野の研究が盛んに進められているのも分かる気がします。

瞑想は心身の健康に効果がある

本書では医学の研究により分かってきた成果を紹介しています。

・瞑想はノイローゼやストレスから人の健康を守る
・瞑想は睡眠よりも深い精神的休息を与える
・成人病にも効果がある
・自然治癒力を高める
・統計の結果、瞑想する人はそうでない人より12年寿命が長い

瞑想に関する研究は、例えば脳波を測定してその結果を分析しながら行います。脳波の測定は1924年にドイツのハンス・ベルガーが記録したのが初めてといいます。まだ100年も経っていないんですね。その測定技術が近年になって発達してきたからこそ、瞑想の研究が可能になったんだと思われます。これからも測定技術が発達して研究が進められれば、瞑想は宗教のためだけでなく、また怪しいオカルトの儀式でもなく、心身の健康を維持するために有効だという認識がごく当たり前のようになるかもしれません。

瞑想の医学研究レポートから

その他にも次のような研究レポートがあげられています。

・瞑想は脳の扁桃状部における誤った判断を矯正し、プラス思考を実現する。また集中力や計画性を高める。
 〜アメリカのウィスコンシン大学の研究グループ〜

・瞑想は、恐怖の記憶の中枢である扁桃状部をコントロールし、幸福感をつくりだす。
 〜アメリカのカリフォルニア大学のポール・エクマン医師〜

・人がなにかに集中したときに活発化する前頭葉の活動が、瞑想中にも確認された。
 〜アメリカのペンシルヴァニア大学のアンドリュー・ニューバーグ博士〜

・瞑想によって、人は、現下の自己の感情や想念を冷静に観察し、自己のマイナス感情をぬぐうために、その感情をうまく言語化することができるようになる。瞑想によって瞑想者の前頭葉が活発化していることが観察された。これは瞑想が健康に良いことを示している。
 〜アメリカのカリフォルニア大学で博士号を取得したデイヴィッド・クレスウェルの研究〜

・瞑想と脳の構造を関連づける研究は、まだ揺籃期にあるが、瞑想が心理的、生理的健康を増進することが、私たちの研究によって明らかになった。
 〜アメリカのUCLA医学部のアイリーン・ルーダス博士ほか、A.W.トーガ、N.レオポール、C.ゲイザーの共著による論文〜

今回は「第三章」についてまとめました。

瞑想には精神的にも肉体的にも効果があることがだんだんと実証されているようです。特に驚きだったのが、瞑想は睡眠よりも深い休息を得られるということです。ストレスの高い日々が続くと、たくさん寝てもスッキリしない時があります。もしかしたら睡眠では取りきれない疲れが、瞑想では取れるかもしれませんね。

次回は「第四章」についてまとめます。

何回かに分けて、『中村天風から教わったやさしい瞑想法』の読書ノートを書いていこうと思います。

「第二章」では、なぜ瞑想をするのか、そして瞑想をするとどんなことが起きるのかについて説明しています。

結論からいうと、瞑想は人生のほとんどあらゆる面に効果があると著者は述べています。では具体的にどんな効果があるのでしょうか。

瞑想の目的・効用には二種類ある

本書では、瞑想の目的・効用を大きく二つに分けて説明しています。

①実利的、実際的なもの
②求道的、哲学的、宗教的なもの

これまで、瞑想というのは②の分野で追求されてきました。そのため僕を含め「瞑想=宗教的な修行や儀式」みたいな先入観を持っている人が多いのではないかと思います。

しかし近年、①の実利的なもの、実際的なものの効用について注目が集まっています。それはつまり「瞑想というのは、日常の健康維持に役立ったり、仕事をうまくこなすのに役立ったりするのではないか」という考え方が広まってきたのだそうです。

瞑想は健康によい

医学の進歩とともに、瞑想は健康によいことがわかってきました。うつやノイローゼになっていなくても、日々のストレスに対して耐性がついたり、日常の悩みや心配事も軽減されるという見方が出てきています。

その他にも、気持ちをプラス思考にもっていきやすくなったり、集中力をたかめるのにも効果的なんだそうです。そしてもう一点、意外だったのが精力を増大し性欲を高める働きもあるらしいです。

ではなぜ瞑想をすると、こういった効用が生まれるのか?と疑問に思いますが、それは瞑想をするとほんとうの自分を実感できるようになるためなんだそうです。この「ほんとうの自分」というのはおそらく、人の目を気にするでもなく、見栄を張るでもなく、何かに怯えたり不安になるでもなく、純粋無垢な自分自身といったイメージなんだと思います。

今回は「第二章」についてまとめました。

瞑想の実利的、実際的な効用が、今まさに僕が欲していることであり、瞑想を始めてみたきっかけでもあります。求道的、宗教的なものを求めている人たちの中には、実利的な効用ばかり期待している人たちのことを快く思っていない人もいるようです。でもそんなことは気にせず、心身の健康によいとあればぜひ体験してみたいと僕は思うのです。

次回は「第三章」についてまとめます。

何回かに分けて、『中村天風から教わったやさしい瞑想法』の読書ノートを書いていこうと思います。

今回は「第一章」の部分です。

「第一章」では、瞑想とは何かということについて、いろいろなアングルから説明しています。

瞑想とは、「なにも考えず、なにも思わない」状態になること

瞑想とは、「なにも考えず、なにも思わない」状態になることを目的としています。この「なにも考えず、なにも思わない」状態とは、「無我無念」の境地であり、「心を空(くう)にした状態」であり、「深い静かな心」の状態でもあります。

ちなみに空(くう)とは、禅で用いられる用語で、瞑想で「空」を感じたあとは、なんともいえない幸福感に心がみたされてくるものらしいです。

また瞑想の時の意識は、睡眠の時や夢をみているときのような意識ではなく、また覚醒時の意識ともまたちがうのだそうです。

瞑想の時の意識は、日常で経験している

瞑想というとなんだか神秘的でスピリチャルな響きがあり、さらには怪しく胡散臭い印象さえ持ってしまうのは僕だけではないでしょう。でも、瞑想の時に得られる状態というのは、日常でも経験していることなんだそうです。
例えば次のような例が挙げられています。
・なにか珍しいものを見てハッとするとき・・・意識が自然に明瞭になり、心が空っぽになる。その一瞬が瞑想に近い状態。
・いいアイディアやひらめきが生まれるとき・・・集中して考えぬき、休憩中やふっと気を抜いた時にひらめく時。そのひらめく一歩手前の時が瞑想に近い状態。

瞑想は今から約四千年以上前から行われている


そもそも瞑想とはいつからおこなわれるようになったのかというと、紀元前約二千年前ころには既に瞑想をしていた形跡があるんだそうです。インダス文明の中心都市であるモヘンジョダロという遺跡から、瞑想をする人の彫刻が発見されたのがその根拠とされています。インダス文明というと、最も古い文明の一つです。ということはある意味人間が人間らしい生活をするようになったときから既に瞑想が考案され、実践されていたといってもいいでしょう。

「無我一念」から「無我無念」へ


「なにも考えず、なにも思わない」状態へはどうやって至るのかというと、まずは何かシンプルな対象に意識を集中することから始めます。何かに集中している状態を「無我一念」といいます。そしてなにも考えず、なにも思わない状態を「無我無念」といいます。

集中の方法については第四章・第五章で紹介しています。
・真っ白な紙に黒いまるい点を見つめる「一点注視法」(第四章で説明)
・単純な音声に耳を傾ける「一オン(第五章で説明)

ヨーガの研究者に、エリーゼ・エヴェラルダという人がいるそうですが、その人は瞑想について次のように表現しています。
「心が静謐なとき、なんらかの真理を感得できる。瞑想はだから、自己を経験的にしる道である」
「瞑想は宗教的なものではないし、儀式でもない。瞑想は意識の拡大であり、絶対的な実在の内的次元を直接経験することである。・・・瞑想は宇宙法則を垣間見るプロセスである。・・・そして瞑想を体験した人は共感、調和、癒し、無条件の愛のなかで生きようという気持ちになる」

また天風の弟子という沖正弘は次のように表現しています。
「瞑想は人づくりの最高の行で、・・・自然治癒力を高める」
「瞑想をすると、天に自分の生命をお任せするという最高のくつろぎの状態になる」

今回は「第一章」についてまとめました。

瞑想というのは今から四千年以上前からおこなわれ、現在まで廃れることなく続いているものなんですね。実践者にとって役に立たなかったりメリットが何もなければこんなに長く支持されることはないでしょう。そういう意味で、信頼性のあるメンタルトレーニング方法なんだと思います。これまでは「瞑想=宗教信者が修行の一環として行うもの」と思っていたのですが、宗教や信仰心とは無関係なんですね。

次回は「第二章」についてまとめます。